日本

2023.11.24

スカニアジャパン、物流業界の課題に挑む新型Scania「SUPER」を発表

スカニアジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:アラン・スーダン)は、物流業界の課題に対応するための新型スカニア「SUPER」の販売を、2023年11月24日から開始することを発表しました。

物流業界は、2024年に施行される働き方改革関連法による「物流の2024年問題」に直面しています。 この法律は、自動車運転業務の時間外労働の上限規制を導入し、輸送コストの上昇とドライバー不足という 2つの大きな影響を業界にもたらすと予想されています。

これに対し、スカニアジャパンのアラン・スーダン代表取締役は、「新しいスカニア SUPERは、これらの課題を 解決し、日本の運送会社の競争力を強化するための4つのソリューションを提供します」と述べています。

  1.   クラス※最高の燃費効率:クラス最高レベルの燃費効率を実現し、輸送コストを削減

  2.   デジタルエコシステム『My Scania』:燃料消費をさらに削減するためのデジタルツールを提供

  3.   ドライバーアプリ:ドライバーが積極的に燃費効率を高められるように設計されたアプリケーションを提供

  4.   より良い労働環境:ドライバーにとってより快適で安全な労働環境を実現

新型スカニア「SUPER」は、物流業界の課題に対する革新的な解決策を提供し、運送会社の競争力を強化することを目指します

130年の歴史を持つスカニアの技術の結晶

新型スカニア「SUPER」は、130年以上の歴史を持つスウェーデンのスカニア本社が5年の歳月と総額20億ユーロ(日本円で約3,140億円)を超える研究開発費を投じて自社開発した革新的なパワートレインを搭載しています。

この新パワートレインは、R&D部門の技術の結集により、新エンジン、新ギアボックス、新リアアクスルを開発しました。各ユニットの効率向上だけでなく、ユニット間の相乗効果を最大限に引き出すよう設計されています。これにより新型スカニア「SUPER」は、CO2排出量を削減、優れた燃費効率を実現し、環境負荷の少ない輸送の未来をリードします。

運送会社のビジネスをサポートする4つのソリューション

1. クラス最高の燃費効率を実現するパワートレイン

新型Scania「SUPER」のパワートレインは、燃費効率と安全性の向上を目指して設計されています。その中心 となる新・直列6気筒13リッターDC13型エンジンは、吸排気の改善、燃焼の最適化、摩擦抵抗の低減などを通じて、燃費向上と低速域でのトルク向上を実現。さらに、一体型シリンダーヘッドとDOHC (Dual Over Head Camshaft)の採用により、ディーゼルエンジンの正味熱効率(BTE)を通常の30~40%から50%へと 大幅に向上させました。

※ クラス:トラクター、最大450馬力、トルク2,200~2,400Nm

さらに、新開発のG25 / G33 オプティクルーズ付き新ギアボックスは、新エンジンの特性である低回転高トルクに適合するギアリングを採用し、CO2排出量の削減と優れた燃費効率に貢献しています。新リアアクスルR756も、燃費向上のために開発されました。潤滑方式の見直しと内部摩擦抵抗の低減により、効率的な動力伝達を実現しています。

また、新エンジンのDOHC化により、圧縮開放ブレーキ(CRB)の採用が可能となりました。このCRBは350kWの制動力を持ち、最大500kWを発生する新型リターダーR4700Dと組み合わせることで、重量物運搬や山道の運行において、より高品質の安全性を提供します(ただし、車両総重量により効果は変化します)。

新型Scania「SUPER」は、これらの革新的な技術を組み合わせることで、燃費効率と安全性の両方を高め、 運送業界の新たなスタンダードを打ち出します。

2. 燃費消費の削減に貢献するデジタルサービスエコシステム「My Scania」

新型Scania「SUPER」は、オンラインプラットフォーム「My Scania」を通じて、輸送事業主がPCやスマートフォンから車両の稼働状況やドライバーの安全性・運行状況をリアルタイムで管理・監視することを可能にします。

「My Scania」は、ドライバーの運転スタイルや運行形態を自動的に評価し、改善ポイントを明確化します。これにより、燃費の最適化と経営効率化を実現。さらに、車両ごとの点検・整備予定日をシステム上に登録することで、車両の稼働時間を効率的に管理することが可能となります。

これらの機能により「My Scania」は、運送事業主がビジネスパフォーマンスを向上させるための強力なツールと なります。

3. 運転スタイルの改善と燃費向上をサポートするドライバーアプリ

新型Scania「SUPER」では、ドライバー自身の運転・運行スタイルを認識し、改善することで燃費向上を目指すドライバーアプリの利用が可能です。このアプリケーションを使用することで、ドライバーはスマートフォンから 自身の運転スコアと改善ポイントを可視化された情報として確認できます。このアプリケーションは、ドライバーが自身の運転スタイルを客観的に理解し、燃費効率を最適化するための有効なツールとなります。

4. 当社比最高品質を実現する、プレミアムで快適な車室内環境

新型Scania「SUPER」のキャビンは、エンジンのスムーズな反応と静けさを追求し、快適性とプレミアム感を 高めています。これにより、ドライバーにとって魅力的な車室内環境が実現されています。

また、新型Scania「SUPER」は、最新のフルデジタルクラスタ、スマートダッシュを搭載しています。 このスマートダッシュは2つの大型デジタルディスプレイで構成されています。

1つ目のディスプレイはステアリングホイールの後ろに位置し、車速やエンジン回転数などの重要な運行情報を ドライバーに提供します。さらに、周囲の車両や歩行者との安全距離を保つための先進運転支援システム(ADAS)とも統合されています。

2つ目のディスプレイはダッシュボードの中央に位置するセンターインフォメーションディスプレイで、全てのインフォテインメント機能を統合したデジタル・タッチ・スクリーンです。

このように、新型Scania「SUPER」のキャビンは快適性と機能性を兼ね備えたデザインにより、長時間の運転でも疲れにくい環境となっています。これら全ての要素が組み合わさることで、新型Scania「SUPER」は、 ドライバーにとってより良い労働環境を提供します。

サステナビリティの先進、ヨーロッパで評価される性能

TCO重視のスタンダードモデルもラインナップ

新型スカニア「SUPER」には、新パワートレインなどの基本性能を維持しつつ、総所有コスト(TCO)を重視した 「スタンダード モデル」もラインナップに加わります。様々なニーズに基づくオプションアイテムを用意し、フルスペックのカスタマイズも可能としています。

European Truck Challenge 燃費部門で1位を獲得

新型スカニア「SUPER」は、今年7月にドイツで開催された長距離トラック性能比較テスト「European Truck Challenge」 対象車両:トラクター、最大450馬力、トルク2,200~2,400Nmにおいて、燃費効率部門で見事1位を獲得しました。2位の競合他社に対して4.9%の大差をつける結果は、輸送効率に重点を置いたスカニアの新型パワートレインの実力を証明するものでした。

具体的には、年間15万kmを走行する長距離トラックの場合、新型スカニア「SUPER」は2位の競合車と比較して、ディーゼル消費に関わるコストを年間で3000ユーロ(約471,000円)削減することが可能となります。

スカニアジャパン株式会社 トラックセールス、ディレクターの中井誠は次のようにコメントしています。「新型スカニア SUPERの日本デビューは、お客様とディーラーネットワークにとって新たなマイルストーンです。2024年、スカニアジャパンは、高い燃費効率、経済的に持続可能なソリューションを提供することで、国内の輸送業界とパートナーシップを結び、業界が抱える課題に向けて共に取り組み、さらなる販売台数の拡大を目指します」

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