知多産業運輸株式会社様
データが証明した確かなパフォーマンス。「全車スカニア化」を目指す理由
創業50年を超え、鋼材や厚板などの重量物輸送から危険物輸送、倉庫事業まで、専門性の高い物流サービスを展開する知多産業運輸株式会社。データを積極的に経営や業務改善に活用する同社では、現在、保有するトラックを将来的にすべてスカニアへ切り替える構想を描いています。
愛知県豊橋市に本社を構える知多産業運輸株式会社は、東海地区から関東方面への長距離・重量物輸送を強みのひとつとしています。こうした長距離輸送を支える車両として、同社が積極的に導入を進めているのがスカニアSUPERです。
スカニア導入の背景には、ドライバーの労働環境の改善と負担軽減への思いがありました。さらに、導入後は車両から得られるデータを経営や業務改善にも活用。燃費や運行状況、環境負荷などのデータを、コスト管理や荷主への提案、ドライバーの意識向上などにつなげ、「攻めのデータ戦略」を展開しています。
今回は、常務取締役の八木寛明氏、取締役 データ戦略・システム統括部長の中満康法氏、運輸事業統括部長の廣木一成氏に、スカニアの導入経緯やデータ活用の取り組み、現場で感じている変化について伺いました。
導入への懸念を確信に変えた、スカニアの燃費性能と運用面でのメリット
海外製車両であるスカニアの導入にあたり、知多産業運輸ではイニシャルコストやメンテナンス面を慎重に見極める必要がありました。そこで、まずはSUPER3台を導入し、実際の運行データを収集・検証。燃費や維持費など、そこから見えてきた運用面での評価について、八木常務に伺いました。
知多産業運輸株式会社 常務取締役 八木寛明氏
――知多産業運輸では、現在スカニア車両を意欲的に導入されていますね。まずは導入の経緯や、現在の稼働状況について教えていただけますか。
(八木氏) 一番の目的は、乗務員の労働環境の改善と負担軽減でした。現場の乗務員から「スカニアに乗ってみたい」という声があがっていたことに加え、ディーラーさんからの熱心なご提案もありました。ただ、決して安い買い物ではありません。そこでまずはテストケースとしてスカニアSUPER3台を導入し、じっくりデータを取って検証することからスタートしました。
テスト導入で得られた検証結果は想像以上でしたね。その結果も踏まえ、この2年間で順次増車を進め、現在はSUPER 560Rを含む、9台のスカニアが稼働しています。さらに今後も順次納車が控えていまして、最終的には社内のトラックを全車スカニアに切り替えていこうと計画しているところです。
――それほどまでに評価されたわけですね。一方で、導入前に気になっていた点はありましたか。
(八木氏) そうですね、一番はやっぱりイニシャルコストへの懸念でした。ですが、いざ導入してみてデータを集めてみると、当社の運行条件では、燃料効率の面でも手応えを感じる結果となりました。
例えば、東海から関東へ行って戻ってくる長距離運行でも、給油の負担が軽減されるなど、燃料効率の面で変化を感じています。当社は高速道路を利用する長距離運行が多いため、スカニアの特性と運行スタイルの相性が良いようです。イニシャルコストだけでなく、燃料費なども含めて長期的に見ることで、運用コストの面でもメリットを感じています。
※燃料消費量は、業務内容、車両構成、運転状況、道路・気象条件などにより変動します。
広々とした車内空間もスカニア導入を決めた理由のひとつ
――コスト面だけでなく、メンテナンスに関する不安はいかがでしたか。国産車と勝手が違うのではと心配される企業様も多いかと思いますが。
(八木氏) 外国車だと「故障したときの修理代や部品代が高くつくのでは」と気になりますよね。でも、スカニアには走行距離や期間に応じて最適なプランが組める、S・M・Lの3つの「基本メンテナンスパッケージ」という仕組みがあります。
これを利用すれば、定期点検に加え、車両の使用状況に応じたメンテナンスを計画的に受けられるため、突発的な整備費用を抑えやすく、維持費の見通しを立てやすい点もメリットです。
国産車の場合、「ちょっと違和感があるから見てもらおう」と工場に入れた結果、想定していなかった修理が必要になることもありました。そうした突発的なコストリスクを予防整備で回避できるのは、経営側として本当に助かっていますね。
スカニアの車両データを「攻め」に活用。営業や業務改善を支えるデータ戦略
知多産業運輸では「データ戦略・システム統括部」を設け、車両管理だけでなく、営業や業務改善にもデータを活用しています。スカニアの運行管理システムから得られる情報を、どのように事業に活かしているのか、中満取締役と八木常務に伺いました。
知多産業運輸株式会社 取締役 データ戦略・システム統括部長 中満康法氏(左)と、常務取締役 八木寛明氏(右)
――知多産業運輸では「データ戦略・システム統括部」という専門部署を設け、一般的な車両管理にとどまらず、データを幅広く活用されているそうですね。
(中満氏) 一般的に運送業界で活用されるデータは、車両の現在地を把握したり、保守に役立てたりする「守りのデータ」が中心です。ですが、私たちはスカニアの「フリートマネジメントシステム」から得られる詳細なデータを、営業や業務改善のための「攻めのデータ」として活用しています。
具体的には、荷主様への営業ツールとしての活用ですね。スカニアのシステム上から抽出した燃費や運行データをすぐにお見せできる環境を整えています。
運送業界では「燃料費が上がっているため運賃を見直してほしい」とお願いしても、その根拠となる具体的なデータを示すのが難しいケースがあります。ですが、スカニアのシステムからはそうしたデータがきちんと算出されるので数字に説得力があります。
さらに、燃費だけでなくCO2排出量や窒素酸化物(NOx)といった、環境負荷に関するデータも数値化できますから、荷主様のSDGs対応や環境配慮への取り組みに協力できる提案材料として非常に有効です。
――データ活用だけでなく、スカニアの導入そのものが採用面にも影響していますか。
(八木氏) かなり影響しています。実際、若手の乗務員のなかには、前職で乗務中にたまたま路上で弊社のスカニアを見かけ、「あのトラックに乗りたい!」と、車体のロゴを頼りに応募してきた社員もいます。
「2024年問題」で乗務員確保が難しくなるなか、私たちが求めているのは「違いの分かる」トップドライバーです。経験や技術を持つ乗務員だからこそ、スカニアの走行性能や安全性、当社のデータ戦略の価値も理解してもらえる。そうした点が、優秀な人材に当社を選んでもらううえでの強みになっていると感じます。
知多産業運輸のロゴを配したスカニア「SUPER 560R A6x4NA」。採用面にも寄与したデザインとカラーリングは社長の肝煎り
――業界のデジタル化や地位向上という意味でも、スカニアが貢献しているのではないでしょうか。
(八木氏) 運送業界では、経験や感覚に頼ってきた部分もまだ多いと思います。そこに客観的なデータを取り入れることで、荷主様とのコミュニケションはもちろん、社内の業務改善や乗務員の育成など、さまざまな場面を変えていける可能性があります。
だからこそ、私たちが率先して正確なデジタルデータを活用し、お客様と一緒にこれからの輸送について考えられる環境を作っていきたいんです。
業界にはまだ紙ベースの業務も多く、デジタル化の余地は大きいと感じています。スカニアについても、「車内が広くてかっこいい」という魅力だけでなく、データを活用できる点まで含めて発信していきたいですね。協力会社にもDXのメリットを伝えながら、業界全体の底上げにつなげていければと思っています。
スカニアが育む「愛車精神」。車両への愛着が会社への誇りに
ドライバー歴30年を超え、現在は現場を統括する廣木部長。長距離運行で感じるスカニアの走行性能や快適性に加え、運転データの可視化が現場ドライバーの意識にどのような変化をもたらしているのかを伺いました。
知多産業運輸株式会社 運輸事業統括部長 廣木一成氏
――ドライバー歴30年というベテランの廣木部長からご覧になって、ドライバーさんのスカニアに対する熱量はいかがですか。
(廣木氏) 私自身、トレーラーに長年乗ってきました。今は内勤になりましたが、現場の乗務員にとってスカニアは「人生で一度は乗ってみたい憧れの車両」なんですよ。乗務員によっては「スカニアに乗れるなら給料の条件は問わない」なんて言うヤツもいるくらいで(笑)。
実際に乗ってみると、もう国産車とは走りの質がまったく違いますね。最初はキャビンが大きいので揺れを心配していたんですが、いざ走らせてみると、まるで乗用車……極端に言えば最新の電気自動車に乗っているかのように揺れないんです。おかげで、腰への負担が軽くなったと話す乗務員もいます。
――重量のある鋼材を積んで長距離を走るとなると、ルート上の難所での操作も相当ハードですよね。
(廣木氏) そうですね。この辺だと、東名の牧之原SA付近の長い上り坂なんかは、重い荷物を積んでいるとアクセル操作もブレーキもものすごく神経を使う難所なんです。
国産車だとアクセルをベタ踏みしても、時速50km出すのがやっとのようなキツい坂でも、スカニアなら少し踏み込むだけでスーッと必要な速度が出てくれる。下りでのブレーキ性能も抜群です。この安定感によって、乗務後の疲労感も大きく違うと乗務員たちから聞いています。
――走行性能の高さに加えて、データによる「燃費の可視化」もドライバーさんの意識に変化を与えているのでしょうか。
(廣木氏) ベテランの乗務員ほど自分の運転に自信を持っていますが、同じルートを走っても車両によってこれだけ燃費が変わるというリアルな数字を見せられると、「もう少し走り方を工夫してみようかな」と素直に意識が変わるんです。
今後は、スカニアの専用アプリを使って乗務員自身に運転スコアを確認してもらうことで、「乗り方次第で、まだ燃費を伸ばせる」と意識してもらえると思っています。
管理職や経営層だけでなく、現場の乗務員自身が数字を見ながら改善を考える。スカニアのデータは、そうした意識づくりのきっかけになると思います。会社全体で共通の課題に向き合ううえでも、大きな強みですね。
――現場のモチベーションが上がると、会社全体の雰囲気も変わりそうですね。
(廣木氏) 間違いなく変わりますね。「愛車精神は愛社精神につながる」と日々実感していますよ。洗車する回数が劇的に増えましたし、サービスエリアで他社の乗務員さんから写真を撮られたり話しかけられたりすると、みんな誇らしげにしていますから。
社長が「全車スカニア化」を宣言してくれたおかげで、いま国産車に乗っているメンバーも「次は自分がスカニアに乗れるんだ!」と毎日楽しみに仕事をしています。
実は、私が内勤になってからスカニアが導入されたので、乗れないのが悔しいんですよ。だからこそ、少しでも乗務員たちが気持ちよく働けるように、私のこだわりをスカニアにたっぷり詰め込ませてもらっています。
廣木部長自身が設計した、使いやすさに配慮したカプラー台のラダー
車両データを新たな価値へ。知多産業運輸が描くこれからの物流
スカニアの導入によって、データ活用の可能性を実感してきた中満取締役。システム部門の役割にも変化が生まれるなか、今後どのような可能性を見据えているのでしょうか。
――最後に中満取締役にお伺いします。スカニアの導入による変化を振り返って、今後のデータ活用にどのような可能性を感じていますか。
(中満氏) 私が知多産業運輸に入社した当初は、車両の現在地確認や勤怠管理といった「守りのデータ」を扱う役割としての採用でした。しかし、スカニアが導入されてからは、私たちシステム周りの内勤メンバーが、現場の車両データを「攻めのツール」として活用し、営業展開や業務改善に直接貢献できるようになりました。これは私自身にとっても大きな変化でした。
スカニアのシステムは常に進化していて、毎回アプリがアップデートされるのを楽しみにしています。「次はこの新しいデータをどう活用してやろうか」と考えるのが、すっかり日々のやりがいになっています。私自身、入社時はここまで深くデータを事業戦略に組み込んでいくとは思っていませんでしたが、まだまだDX化が進んでいない運送業界だからこそ、デジタルの力で変えられる「伸びしろ」は無限大にあると感じています。
これからもスカニアから得られるデータを活かしながら、業務改善や営業提案の幅を広げていきたいですね。それが結果として、乗務員がより働きやすく、誇りを持てる会社づくりにもつながればと考えています。
※本記事に記載されているデータはお客様よりご提供いただいたものであり、トラックが関与する活動の種類に基づきます。トラックの燃料消費量は、業務内容、車両の構成、運転スタイル、道路のタイプや天候などの外的要因によって変動します。