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2023.05.25

スペイン初の再生可能燃料を動力としたデュオトレーラー

産業ロジスティックス・サプライチェーン管理会社であるSeséとスカニアは、デュオトレーラーで再生可能燃料を動力とするスペイン初のトラックの投入を開始しました。おそらく南ヨーロッパで最も持続可能なこの長距離大型道路車両の導入は、スペインのエネルギー供給会社レプソルとフォルクスワーゲンナバラの共同によるものです。

 

全長31.7メートルのデュオトレーラーを連結したスカニアR650 4x2トラクターは、スペインの都市パンプロナ、バルセロナ間を週に4,500キロメートル往復します。このトラクターは、より大型の車両のコンビネーションと、再生可能燃料の使用により、CO2排出量の大幅な削減に貢献します。

大型車両のコンビネーションが大幅な改善をもたらす

これらのパイロット輸送は、スペインのサラゴサ大学と共同でヨーロッパの一部の国において実地試験を行っている国際デュオトレーラー車両グループの活動の一環として行われています。今回の調査の目的は、道路の安全性、貨物輸送効率、燃料消費量、排出ガスをはじめとする道路輸送のあらゆる側面を改善する方法を見つけることです。

 

 必要に応じて分離可能なEU標準化輸送モジュールを組み合わせることで、これらすべての分野においてかなりの改善が確認されています。Seséデュオトレーラーの場合では、従来の13.6メートルセミトレーラー2台を台車で連結し、70トンの牽引能力を持つトラックヘッドで牽引しています。

革新的なロジスティックスと持続可能性

Seséは、スペインのサラゴサに本社を置き、ヨーロッパ、米国、アフリカおよびアジアの20か国で事業を展開しています。2018年にスペインで初めてデュオトレーラーを導入したパイオニアの一社でもあります。Seséは現在、貨物輸送の脱炭素化への取り組みを改めて明言しています。デュオトレーラーモジュールを使用すれば、道路貨物輸送と鉄道輸送を組み合わせることも可能になります。

 

デュオトレーラーは、大型車両が通行できる道路を走行するよう設計されており、従来の道路で見られたよりリスクの大きい輸送の回数を低減します。

 

再生可能で信頼性が高い燃料

全長がさらに長いトレーラーのコンビネーションは、効率化によりCO2排出量を削減できることを既に実証しています。レプソルが供給する再生可能燃料によって、CO2排出量は、well-to-wheel*(油井から車輪まで)でさらに最大90%削減されます。高度なバイオ燃料HVO(水素化処理植物油)は、使用済み植物油、さらには農業および森林残渣などの廃棄物から生産されます。さらに、HVOは、欧州連合再生可能エネルギー指令で要求されている持続可能性認証を取得しており、いかなる改良も必要とすることなくディーゼルエンジン車両で使用できることを保証するすべての技術要件を満たしています。

 

現在までのところ、セミトレーラーを1台連結し、HVOを給油したトラクターの55万キロメートルを超える走行試験を実施し、信頼性の高い結果が得られています。

スカニアと共にエミッションニュートラルを目指して

サプライチェーンを対象とした効率的で持続可能かつ革新的なソリューションを追求することは、2050年までにエミッションニュートラル企業になるというSeséの基本的な優先事項のひとつです。

 

スカニアは、数十年間にわたり多くの国でさまざまな再生可能燃料に取り組んできました。スカニアの車両は今も増え続けていますが、多くの車両が非化石燃料で走行することによって、可用性の高まりとともに輸送における現実的な選択肢のひとつとなっています。

 

顧客および社会が一体となってこの輸送効率イニシアティブを進め、このことは、スカニアが掲げる「科学に基づく達成目標」のスコープ3における、スカニアの脱炭素化目標に向けた更なる一歩となります。製品の実用化時期に関する同イニシアティブにおいて、スカニアは、2015年に販売された車両の排出量と比較して、2025年に納入される車両のCO2排出量を20%削減することに取り組んでいます。

 

*well-to-wheelの測定には燃料の調達が含まれており、テールパイプアウトレットのみを測定するtank-to-wheel(燃料タンクから車輪まで)とは対照的です。

【英文記事】First Duo Trailer combination on renewable fuels in Spain | Scania Group (SCANIA Global website/ English)