株式会社東洋陸送社様
「安全・品質・生産性」の好循環。自らステアリングを握った社長も実感するスカニアSUPERの進化と導入効果
神奈川県横浜市に本社を構える株式会社東洋陸送社。昭和25年創業と長い歴史を誇る同社は、商品自動車輸送を主として行っています。2024年4月からスカニア車両を導入し、2024年問題への対策と生産性の向上を図っています。
1950年に創業した株式会社東洋陸送社は、当初から国内外の主要メーカーの車両輸送を担ってきました。現在は「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みにも注力しています。その一環として、環境・燃費性能に優れたスカニアのトラックを導入しており、これは従業員のモチベーション向上にも寄与していると言います。
今回は株式会社東洋陸送社の代表取締役社長 別所仁氏と、車両の導入や運行などに携わる輸送事業部 部長の川村孝士氏、そして栃木営業所 所長 磯勝成氏、スカニアを担当するドライバーの森澤道彦氏、遠藤秀也氏にスカニアの車両を導入した経緯やその効果、運転して感じた実感などについてお伺いしました。
動機は「選ばれる会社」への投資。試算で確信した5年回収と燃費性能
2024年問題を見据え、人材確保の切り札としてスカニア導入を決断した同社。導入を成功に導いた戦略と、その背景を伺いました。
株式会社東洋陸送社 代表取締役社長 別所仁氏
――2024年にスカニアを導入するに至った経緯について教えてください。
(別所氏) きっかけは「2024年問題」への危機感でした。労働時間の規制強化によりドライバーの稼働時間が減れば、当然ながら収入も減少してしまいます。そうなれば、人材の流出は避けられません。 そこで私たちはまず、荷主企業のご協力のもと運賃改定を行い、原資を確保してドライバーの給与を平均25%引き上げました。
しかし、金銭面だけの対策では不十分です。「この会社で働き続けたい」と思わせる、給与以外の強力な動機付けが必要でした。 そこで白羽の矢が立ったのがスカニアです。
私自身、趣味のゴルフをする中で以前から季節や自然の変化を肌で感じており、環境性能に優れた車両への関心を寄せていました。加えて、スカニアの持つ圧倒的な「ルックス」とブランド力は、ドライバーにとって憧れの対象です。「スカニアに乗れる」というステータスを会社の魅力とし、人材の定着と新たな雇用の確保につなげる。それが導入の最大の狙いでした。
(川村氏) 社長が同業他社の経営者の皆様と情報交換をされた際、「第一印象が重要だ」という話になったのが、具体的検討の始まりでした。私もトラックの見た目が従業員のモチベーションに与える影響は大きいと考えていました。
ただ、最大の懸念は導入コストです。国産の同積載量の車両と比較すると、スカニア車両はどうしても割高になります。いかに魅力的でも、経営として採算が合わなければ導入はできません。そこで、社長から具体的にどういうシミュレーションで導入定義につなげるか作戦を練るよう命じられました。
――高額と感じた導入コストをクリアした決め手は何だったのでしょうか。
(川村氏) 決め手となったのは「燃費性能」と、当社の「運行スタイル」との相性です。 当社の長距離輸送は、1台の車両を2名のドライバーで交代させながら走らせるツーマン運行が基本で、車両は常に動き続けています。その結果、1台あたりの年間走行距離は約16万kmにも達します。 これは一般的な運行よりもかなり長い距離です。距離を走れば走るほど、燃費の良さが燃料費削減に直結します。
試算の結果、スカニアの燃費性能であれば、この高稼働率を活かして約5年で車両価格の差額を回収できるという結論に至りました。 実際の運用データでも、国産の最新モデルが平均3.6km/L程度なのに対し、スカニアのNTGモデルは平均4.5km/Lを記録しています。より実態に近いデジタコの数値で見てみても、リッター1km近い差が出ており、コストメリットは予想以上です。
「安全」がもたらす生産性の向上。社長も驚いた「突き上げ感」のなさ
導入後に現場で生まれた変化と、元ドライバーである別所社長自身がハンドルを握って感じたスカニアの進化についても語っていただきました。
株式会社東洋陸送社 川村孝士氏
――導入後、現場の運行管理やドライバーの意識にはどのような変化がありましたか。
(別所氏) 私たちは経営方針として「安全・品質・生産性」を掲げていますが、スカニアの導入によってこのサイクルが良い方向に回り始めました。
まず、スカニアの快適性がドライバーの疲労を軽減し、「安全」な運行を支えます。安全が担保されることで輸送の「品質」が向上し、結果としてトラブルのない効率的な運行が「生産性」を高めるのです。
実際に、スカニア導入後は求人への応募も増えており、「スカニアに乗りたい」という理由で入社を希望する方もいます。既存のドライバーにとっても、最新の車両に乗れることが誇りとなり、モチベーションアップに大きく寄与していると実感しています。
(川村氏) 運行管理の面でも、目に見える変化がありました。スカニアは乗り心地が良く疲れにくいため、ドライバーが精神的な余裕を持って運転できるようになっています。
その結果、4時間に1回30分といった休憩ルールの遵守率も向上し、無理のない計画的な運行が可能になりました。国産車から乗り換えたドライバーからは、その違いに「感動した」という声さえ上がっています。
長距離を走る過酷な現場だからこそ、ドライバーの負担を減らす投資は、結果的に会社全体の利益につながると確信しています。
――別所社長は元ドライバーとお聞きしました。ご自身でスカニア車両のハンドルを握られた感想もぜひお聞かせください。
――別所社長は元ドライバーとお聞きしました。ご自身でスカニア車両のハンドルを握られた感想もぜひお聞かせください。
(別所氏) 経営に携わる前は、ずっとトラックに乗っていました。数十年ぶりに運転してみて、その進化には本当に驚かされました。
先日、テストコースでスカニア車両に試乗させていただく機会があり、実際に重量物を積んだトレーラーを牽引して走ってみたのですが、発進や減速の際にトレーラー特有の「突き上げ感」が全くないのです。視界が広く開放的で、まるで乗用車を運転しているかのように滑らかでした。
「現役時代にこの車があったらよかったのに」と、本気で思いましたね。経営者としてだけでなく、元ドライバーとしても、自信を持って社員に乗せられると感じています。
高級乗用車のような快適性。「これに乗ったら他には乗れない」と言わしめる圧倒的な実力
実際にスカニア新型SUPERを導入した栃木営業所。導入により、現場の空気はどう変わったのでしょうか。栃木営業所所長の磯成勝氏、そして実際にステアリングを握るドライバーの森澤道彦氏と遠藤秀也氏に、その真価をうかがいました。
栃木営業所所長 磯成勝氏
――栃木営業所に初めてスカニアが導入された時の率直な感想を教えてください。
(磯氏) まずは、栃木営業所にこのタイミングでスカニアが配車されるとは思っていなかったので驚きましたね。ただ社長から燃費が良いとは聞いていたので、昨今の燃料費高騰を考えると、その点には大きく期待していました。
導入してまだ間もないですが、乗務するドライバーはもちろん、それを見ている他のドライバーのモチベーションも上がっていることを感じます。実は、私自身も車両移動でスカニア車両のハンドルを握る機会があったのですが、これまで乗っていた車両とは次元の違う乗り心地に気分が高揚しました。
正直なところ、もし「ドライバーに戻っていいよ」と言われるなら、戻ってでも乗りたい。そう思わせる魅力がありますね。
――実際にステアリングを握るお二人は、スカニア車両に初めて乗って、これまでの車両とどのような違いを感じましたか?
ドライバーの遠藤秀也氏
(遠藤氏) 私は来年で定年です。ずっと「定年するまでに一度はスカニアに乗ってみたい」と思っていたので、話が来た時は断る理由がありませんでした。乗ってみた感想は、乗用車で言うなら、高級車レベルです。シートのクッション、ハンドリング、ブレーキ、すべてにおいて「素晴らしい」の一言に尽きます。
特に気に入っているのは、フロントもエアサスだという点です。ワンタッチで車高を調整できるので、少しでもかっこいいと思うスタイルで走る、といったことを密かに楽しんでいます。
ドライバーの森澤道彦氏
(森澤氏) 一言で言えば「これに乗ったら他には乗れない」。それくらい惚れ込んでいます。以前は「自分に扱えるだろうか」と不安もありましたが、乗ってみると視界が良く、運転操作も楽で、仕事終わりの疲労感が全く違いました。
何より気に入っているのは、この「かっこよさ」です。ほかの車両にはない魅力がありますね。キャビンのベッドもふかふかで「一度寝たら起きられないんじゃないか」と心配になるくらい快適ですよ。文句のつけようがありません。
しっかりと厚みのあるマットレス
――燃費や走行性能については、いかがでしょうか。
(森澤氏) 燃費も確実に良くなっています。以前乗っていた車両が約3.2km/Lだったのに対し、スカニアは今のところ平均で4.2〜4.3km/Lで走っています。リッター1kmの向上は非常に大きいですね。
(磯氏) まだ本格稼働して半月ほどですが、管理側としてもこの燃費数値には満足しています。今後データが集まれば、さらに詳細な効果が見えてくるはずです。実はこのあと、さらに2台の増車も予定されているので、誰に乗ってもらうかが嬉しい悩みになっています。
(遠藤氏) また走行性能について特筆すべきは、トルクの太さと直進安定性です。「しっとり、ずっしり」とした安定感があって、ハンドルを切れば自分の意思通りに車がついてきてくれる。先日、向かい風と横風が強い登り坂を走ったのですが、車体がビタッと安定しており、キックダウンすることなくトップスピードで登り切りました。
電気自動車を積載して12トン近い重量になっても、空車時と変わらない操作性と安定感があり、余裕のある走りを見せてくれます。
今後のスカニアに期待すること
満足度は高いからこそ、さらなる進化を求めたい。現場と経営それぞれの視点から、具体的な要望についてお聞きしました。
――最後に、今後のスカニアに期待することや、改善してほしい点があれば教えてください。
(別所氏) やはり一番お願いしたいのは、価格面ですね。国産車と同じとまでは言いませんが、もう少し導入しやすい価格になることを期待しています 。
機能面では、ミラーの電動格納機能が欲しいところです。商品車を積むヤードはスペースが非常に狭く、隣のトラックとギリギリの間隔でバックすることも日常茶飯事なので、ミラーが畳めないと不便な場面があります。日本の道路事情や作業環境に合った仕様も充実させてくれると嬉しいですね。
(森澤氏) 贅沢な悩みかもしれませんが、クルーズコントロールなどで走行している際の速度制御の精度がさらに高まれば、より完璧な車になると思います。
(遠藤氏) 2点あります。1つはハザードランプのスイッチです。現在はダッシュボードのボタンを押す形ですが、国産車のようにステアリング脇のレバーで操作できるようになると、合流時の挨拶などがしやすく快適性が増すと思います。もう1つは、ドア側に右腕を置ける肘掛け(アームレスト)が欲しいです。バックする際などに体を安定させるのに、あると非常に助かるなと思いました。
(磯氏) 私はキャビンの高さについてですね。日本の道路環境だと、どうしても街路樹の枝などが屋根に接触してしまう懸念があります。せっかくの綺麗な車両や素晴らしいデザインが傷つかないか心配なので、そういった日本特有の事情への配慮があるとありがたいです。ただ、総じて車両への満足度は非常に高く、ドライバーが誇りを持って仕事に取り組める環境を作ってくれていると感じています。
※本記事に記載されているデータはお客様よりご提供いただいたものであり、トラックが関与する活動の種類に基づきます。トラックの燃料消費量は、業務内容、車両の構成、運転スタイル、道路のタイプや天候などの外的要因によって変動します。
【参考資料】
- 平均燃費:4.5km/L(NTG)
- モデル:SUPER 420S
- アプリケーション:自動車輸送
- 年間マイレージ:16万km
- 平均輸送量:8トン
- 株式会社東洋陸送社
※ お客様による実測・実績データを、ご承諾を得てご紹介しています。
当社による公式データではございません旨、ご理解の程お願いいたします。