スカニアCEOが日本市場への大きな期待を表明。社内交流会「Working Lunch」レポート
2024年11月14日、来日したScania(スカニア)のエグゼクティブボード10名を迎え、スカニアジャパン本社にて社員との交流会「Working Lunch」を開催しました。
このイベントには、エグゼクティブボードのメンバーに加え、スカニアジャパンの社員およそ50名が参加。スカニア代表取締役社長兼CEOのクリスチャン・レビンとエグゼクティブ・バイスプレジデント兼コマーシャルオペレーション担当責任者のマッツ・グンナルソンが、日本市場の重要性と今後の展望について語りました。
チーム一丸となって日本市場のさらなる成長を目指す
スカニア 代表取締役社長兼CEO クリスチャン・レビン
スカニアジャパン15周年という節目の年に、世界各地の主要マーケットを視察しているトップマネジメントが揃って来日したことは、日本市場への高い期待の表れともいえます。イベントではまず、2017年の東京モーターショー以来の来日となるクリスチャン・レビンが、世界市場の現状と日本市場の位置づけについて改めて述べました。
グローバル市場において、スカニアはヨーロッパでNo.1の登録台数を達成し、南米では記録的なマーケットシェアの成長を遂げています。各地域で異なる市場特性に応じた戦略を展開するなか、特に日本市場においては、高品質なサービスへの要求が高まっていると指摘しました。
日本市場特有のニーズについては、「ドライバーの視点」と「運送会社の経営」の両面から分析しています。特にドライバーの労働環境の改善と、運送会社の持続可能な経営の両立が重要な課題であるとのこと。こうした要求に応えることが、スカニアのさらなる成長につながるとの見方を示しました。
「ドライバーには快適に運転したいという要望があり、運送会社には運送コストを下げたいというニーズがあります。今後、こういった需要に対して、スカニアファミリーが一丸となって最適なソリューションを提供していきます」(クリスチャン・レビン)
特にスカニアジャパンのチーム体制の強化については、グローバルなスカニアグループの知見を活かしながら、日本市場ならではの課題に対応できる体制づくりを進めていきたいと強調。スカニアジャパンのメンバー一人ひとりへの信頼を示しながら、チーム全体としての成長を支援していく方針を明らかにしました。
あわせて、ビジネスユニットからのフィードバックの重要性も繰り返し強調しました。「現場の声を直接聞き、理解することが、私たちの成長の源泉です」と述べ、スカニアのオープンな企業文化と、市場の声を重視する経営姿勢を示しました。
「みんなが一人のために、一人がみんなのためにというスローガンのもと、横断的な協力を図ります。私たちは一つのチームとして、日本の市場でのさらなる成長を目指します」(クリスチャン・レビン)
また、持続可能な輸送ソリューションの提供というグローバルな課題においても、日本市場での取り組みが大きな鍵になるといいます。環境への配慮と経済性の両立という観点から、日本の運送業界が直面する課題に対して、革新的なソリューションを提供していく考えを示しました。これまでの実績を踏まえつつ、さらなる市場拡大に向けた具体的な戦略を展開していく方針です。
人材育成とサービス体制強化へ
エグゼクティブ・バイスプレジデント兼コマーシャルオペレーション担当責任者 マッツ・グンナルソン
続いて、マッツ・グンナルソンからは、日本市場への継続的な投資について具体的な計画が示されました。まず、この数年間にかけての、日本市場における目覚ましい成長について報告がありました。しかし、増加するニーズに応えるためには、さらに積極的な環境整備が必要との認識を示しました。
「優れたカスタマーサービスを提供するためには、やはり人が中心でなければなりません」(マッツ・グンナルソン)
この発言は、スカニアの重要な経営戦略の一つである「People Centricity(人間中心)」の理念を反映しています。スカニアでは、ビジネスユニットの従業員を「最も貴重な資産」として位置づけ、継続的な人材育成とケアを重視しているのです。
具体的な投資計画として、ワークショップの拡充とパーキングスペースの確保を進めていく方針を表明しました。マッツ・グンナルソンは、単なる施設の拡大ではなく、質の高いサービス提供を実現するための重要な基盤としてワークショップを位置づけています。さらに、新規採用の強化による人員の拡充と並行して、継続的な教育プログラムの充実にも注力していくことを表明しました。
「ワークショップやスペースへの投資は、すなわち人への投資です。優秀な人材を採用し、教育を行い、サービスの質をさらに高めていきます。利益が出る形で投資を進め、事業を成功に導いていきます」(マッツ・グンナルソン)
投資計画の実行にあたっては、持続可能な事業運営の観点から、適切な利益確保とのバランスを重視する考えも示されました。現場重視の姿勢も明確に打ち出し、定期的な訪問を通じて投資の効果を確認していく方針です。
トップと現場が一体となり、今後のさらなる成長を目指す
プレゼンテーションの終了後は、スカニアジャパン社員からの質問タイムが設けられました。グローバルな知見を持つエグゼクティブボードメンバーとの質疑応答を通じて、日本市場の可能性やサービスへの理解をよりいっそう深めることができました。その後のランチタイムでも、和やかな雰囲気のなかで意見交換が続けられました。
今回の交流会は、スカニアが日本市場を極めて重要な戦略的拠点として位置づけていることを明確に示す機会となりました。これからもスカニアジャパンは、ますますスウェーデン本社との連携を密に保ちながら、日本ならではの課題やニーズに寄り添ったソリューションを携えて、日本市場でのさらなる事業拡大に努めていきます。