EU Stage V 排出基準が 2019 年に発効するのに先駆けて、2016 年春、Scania はこの基準に対応するソリューションを初めて発表しました。
9 リットルおよび 13 リットル直列、16 リットル V8 エンジンで構成されるこのレンジは、産業用に 202 ~ 566 kW (275 ~ 770 hp)、発電用に 222 ~ 528 kW (250 ~ 605 kVA) の出力レベルで提供されます。
燃料消費を産業用で 5% (EU Stage IV ソリューションと比べて)、および発電用で 9% (EU Stage IIIA ソリューションと比べて) 削減していることに加え、EU Stage V エンジン レンジはトルクとエンジンの応答性にも優れており、機敏なパフォーマンスを発揮します。
Scania は、エンジン管理、燃料噴射、および排出抑制システムの開発をすべて社内で実施し、エンジン設計および開発から組み立てまですべての戦略的工程をきめ細かく監視しています。
Scania Euro 6 ソリューションをベースとしたこのテクニカル ソリューションでは、ディーゼル酸化触媒、選択触媒還元ユニット、ディーゼル DPF を使用しています。 ソリューションはその効果がすでに実証されており、製品品質、パーツの可用性、包括的なサポート ネットワーク、設備機器のアップタイムなど、従来の Scania が持つ強みによりさらに強化された高い信頼性を保証します。 お客様にとっては、機械のアップタイムが延び、収益の増加につながるというメリットがあります。
「掘削機、ハーベスター、コンプレッサー、フロント ローダーなど、さまざまな用途の最悪のシナリオを探しました。 プロジェクトでは特に熱管理と過渡応答に重点的に取り組みました。」
Van Davenport
リード キャリブレーター
熱管理によって、周囲条件や動作条件にかかわらず排気ガス後処理システムの温度が最適なレベルに保たれます。一方、過渡応答とは、エンジンがトルクをどのくらいの速度でどのくらい適切に立ち上げるかです。
成功の鍵は、スロットル ハンドリングとバリアブル ジオメトリー ターボ (VGT) 制御のストラテジーを統合し、排気ブレーキとしても機能するようにしたことです。
Scania と長い協力関係にある建設機械メーカー、Doosan に協力いただき、エンジンのハードウェア、ソフトウェア、校正のフィールド試験を実施しました。 一例として、Doosan は Scania の 9 リットル 5 気筒 Scania エンジンと、13 リットル 6 気筒エンジンの試験を実施しました。
機械の設計とエンジンの取り付けの点では、EU Stage IV からプラットホームと占有面積がそのまま変わっていないことから、既存のお客様にとって取り付けがシンプルになります。 さらに、DOC と DPF は柔軟性の高いブラケットで共通のコンテナに備え付けられています。エキゾーストインレットとアウトレットのダクトは 360 ° 回転可能で、取り付け作業が楽になります。 常にそうであるように、Scania は設計と取り付けの段階で応用技術者によるサポートを提供します。
製品レンジ
Scania の EU Stage V 準拠エンジンは、9 リットル 5 気筒および 13 リットル 6 気筒の直列エンジンから、16 リットル V8 エンジンまで展開されており、202 kW から 566 kW までの出力に対応しています。
後処理
排出ガス後処理システムに必要なメイン コンポーネントは、HC および CO 排出ガスを処理するディーゼル酸化触媒 (DOC)、微粒子状物質の排出量を法定制限以内に抑制するディーゼル パーティクル フィルター (DPF)、尿素インジェクターとエバポレーターなどで構成され、NOx 排出ガスを処理する選択触媒還元 (SCR) ユニットです。