スカニアに連れて行って日本 .

詳細については、Scaniaマーケットサイトにアクセスしてください。.

株式会社平野ロジスティクス様

スカニアで輸送効率を向上させ、ドライバー不足を改善

パレットの積載量に伴う輸送効率の課題を抱えていたという、航空貨物輸送のパイオニア「平野ロジスティクス」。その問題を解決へと導いた、画期的なソリューションとは?

兵庫県神戸市に本社を置く株式会社平野ロジスティクスは、航空貨物から医薬品、軽貨物まで輸送業務を幅広く手掛ける物流企業です。なかでも、航空貨物輸送においてはパイオニア的存在。成田、羽田、中部(セントレア)、関西、福岡の各空港間および保税上屋間を結ぶOLT輸送(地上保税輸送)を得意とし、各種規制や顧客のニーズに応えるべく革新的なサービスを追求しつづけています。

 

平野ロジスティクスにスカニアがはじめて導入されたのは、いまから10年以上前の2013年のこと。現在では、R410をメインに34台のスカニア車両が活躍しており、近々新型のスーパーも仲間入りする予定です。

 

今回は、平野ロジスティクス 取締役 営業本部長の益子 研一氏と車両担当兼ドライバーの吉田 幸弘氏に、スカニアを導入するに至った経緯や実感している効果、使用感、今後期待することなどについて、詳しくお話をお聞きしました。

 

スカニアの導入で輸送の効率化を実現

そもそも、なぜスカニアを導入することになったのでしょうか。その背景には、航空貨物輸送ならではの課題があったといいます。 

ーースカニアとの出会いについて教えてください。

(益子氏) パートナーとして一緒に仕事をしている、株式会社トランスウェブの前沢さんからの紹介です。きっかけとなったのは、パレットの積載量を増やせるスカニアの低床カプラー仕様でした。

 

以前は航空会社が貨物専用機を所有していたので、高さのあるものも運べていたのですが、航空貨物の運賃が下がったため旅客機だけで貨物を運ぶようになったんです。その結果、必然的に貨物に高さ制限が発生して、それまで高さのある貨物を運んでいた車両の上半分が常に空いた状態になってしまいました。

 

それでも運賃は変わらないため、車両1台あたりのパレットの積載量をなんとか増やせないものかと悩んでいて。そこで、トランスウェブの前沢さんと相談して、パレットの積載量を5枚まで増やしたフルトレーラーの開発に至りました。

ーー従来のパレットの積載量はどれくらいですか?

(益子氏) もともとは3枚積みだったので、2枚プラス。ですので、車両も「+2」と呼ばれています。本当はフルトレーラーではなく、運行コストを大きく削減できるセミトレーラーを希望していたんです。けれど、セミトレーラーの場合、既存のトラクターではカプラーの部分が高くなってしまうため、パレットをうまく載せることができません。

 

この問題をどう解決すればよいか悩んでいたところ、すでにスカニアのユーザーであった前沢さんから、スカニアなら低床のカプラー仕様を選べることを教わりました。スカニアを導入したことで、1枚多くパレットを積めるセミトレーラー「+1」の開発が実現し、その後も需要に合わせて「+7」「+8」など新たな車両が誕生しています。

「+8」は、航空貨物輸送でよく使用されるLD3(AKE)コンテナを最大で14基積むことができる、2段積みのセミトレーラーです。平均輸送量は58.24m3に及びます。

オプションで低床のカプラー仕様を選べるのはスカニアだけですし、長年の悩みを解消できたのはスカニアのおかげだと感謝しています。

ドライバーの採用や意識向上にも大きく貢献

スカニア独自の仕様が輸送上の課題解決につながったとのこと。きっかけとなった仕様のほかに、導入の効果はあるのでしょうか。

ーースカニアの導入によるメリットはほかにありますか?

(益子氏) ドライバーの採用面での効果がかなり大きいですね。スカニアに乗りたいからと応募してくる方もいますし、そのために地方から出てきて寮住まいしているドライバーも少なくありません。

 

パーキングに停めていて「いいクルマですね」「中を見せてもらえますか?」と声をかけられたり、「子どもと写真を撮らせてもらえますか?」とお願いされたりすることもあります。単純にかっこいいですよね。特にヘッドのデザイン。年数が経った車両でも、全く古さを感じません。

 

実は、いまから8年前に社内で改革を実施して、一人ずつ専用の車両を割り当てていた体制から皆で乗り回す仕組みに変えたんです。専用にすると、そのドライバーが休みの日はトラックを稼働できないんですよね。けれど、対応が必要な業務はたくさんある。そこで、車内の私物をすべて片付けてもらって、体制を変えようとしました。

ーードライバーの皆さんの反応はいかがでしたか?

(益子氏) 正直なところかなりの反発があって、想定外の数のドライバーが辞めてしまいました。でも、彼らの気持ちも理解できるんです。それまでオーディオを組んで自由にカスタマイズしたりして、自分の部屋のように使っていたのに、突然退去を迫られたわけですし。

 

「自分のトラックを持てる」という魅力がなくなってしまった代わりに、今度は「スカニアに乗れる」というのがドライバーのモチベーションにつながっています。その改革以降、当社ではトラックを飛行機に見立てて、ドライバーを「パイロット」と呼ぶようになりました。スカニアの車両なら、パイロットという言葉もしっくりきます。

ーー意識も含めての改革ですね。

(益子氏) 特に空港間の輸送では、限られたスケジュールのなかでいかに効率よく、かつ安全に運べるかが強く求められます。そうしたときにも、憧れていたスカニアだからこそ、万が一にも事故を起こすことがないように、より大切に扱おうという意識が働いているように思います。それが、結果として日々の安全運転にもつながっているのではないでしょうか。

 

スカニアに乗ってみたい。その思いで再入社を決意

 

では、実際にスカニアを運転しているドライバーの方はどのような印象を持っているのでしょう。率直な感想をお聞きしました。

ーースカニアに乗られて何年くらい経ちますか?

(吉田氏) 7年です。実は、7年前に再入社していて。前に勤めていたのは、まだ当社にトレーラーが導入されていない頃でした。家庭の事情でしばらく別の会社で働いていたんですが、ある日、平野ロジスティクスのトレーラーが走っているのを見かけて。しかも、憧れていたスカニアだったので、すぐに電話してまた雇ってほしいとお願いしました。

ーー実際にスカニアに乗った感想はいかがですか?

(吉田氏) インテリア一つとっても高級感がありますし、シートのクッション性やサスペンション、そしてリターダーの効きもすごくいいと思います。けれど、一番はミッションですね。スカニアは普通乗用車のような感覚でシフトアップ・ダウンができるので、実際に乗ってみてそのスムーズさにとても驚きました。

 

ベッドの寝心地もいいですし、しっかり休憩できます。ヨーロッパは長距離移動が多いので、スカニアもこうした仕様になっているのかなと勝手に想像しています。冷蔵庫も設置されていますし、冷たいものをすぐに取り出せて飲めるのは、ドライバーにとってかなりうれしいポイントです。

 

ーー車両の管理も担当されているとお聞きしました。

(吉田氏) 車両を管理するうえでは、スカニアのフリートマネジメントシステムがとても役立っています。特に不具合の警告です。通常であれば、車両を工場に持っていき、チェックしてもらって部品を頼んで、届いたらまた工場に車両を持っていくという手順を踏まなければなりません。けれど、フリートマネジメントシステムが「この不具合だったらこの部品が必要」など判断してくれるので、工場に持っていく手間を減らせてとても助かっています。

 

当社には、スカニアにしか乗ったことがないドライバーもわりといるんです。そのドライバーからすると、スカニア独自の機能のすべてが当たり前なんですよね。同じドライバーとして、ほかの車両も経験してほしいなと思うこともあって(笑)そう思ってしまうくらい、スカニアならではの素晴らしさを実感しています。

 

スカニアが提供する“プライスレス”な価値

最後に、スカニアを導入してからの印象を振り返りつつ、これからのスカニアに期待することをうかがいました。

ーースカニアの印象は導入当初から変わっていませんか?

(益子氏) 最初の車両を導入したのが2013年ですので、もう10年以上経ちますね。その車両も含めてすべて現役で活躍していますし、一度も買い替えたことはありません。お伝えしたように、きっかけはパレットの積載量の問題でしたし、ここまで採用面で効果があるとは正直思っていなかったので、期待以上です。

 

いまでは、スカニアなしでは商売が成り立たなくなっています。国産のトラックより少し高いのは事実ですが、それ以上の価値がありますし、まさにプライスレスです。

 

今年の2月に、またスウェーデンのスカニア本社を訪ねたのですが、改めてすごさを実感しました。電気自動車にも試乗してその静かさに驚きましたし、やはりヨーロッパは進んでいますね。HVO100のような、サステナブルな燃料の活用も広がっていると聞きます。そうした意味でも、スカニアのフリートマネジメントシステムに装備されているCO2排出量を追跡できる環境レポートは、この時代に欠かせない機能だと思います。

ーーこれからのスカニアに期待することはありますか?

(益子氏) いまは、新型スーパー3台の納車が待ち遠しいですね。当社では業務の特性上、燃費最優先のドライビングを推奨しているわけではないのですが、それでも平均で4km/Lはいきますし、数値には満足しています。スーパーはこれまで以上の燃費効率を実現できると聞いていますので、とても楽しみです。

 

日本でも、サステナビリティに関する意識が高まっていますし、今後は当社も100%バイオ燃料での輸送にチャレンジしたいと思っています。そうした面でも、スカニアの技術が大いに役立ってくれるのではないかと期待しています。

※本記事に記載されているデータはお客様よりご提供いただいたものであり、トラックが関与する活動の種類に基づきます。トラックの燃料消費量は、業務内容、車両の構成、運転スタイル、道路のタイプや天候などの外的要因によって変動します。

平野ロジスティクス

  • 平均燃費 :4Km/L
  • モデル : R 410
  • アプリケーション:航空貨物輸送
  • 年間マイレージ  :  12万Km
  • 平均輸送量 :  58.24 m³ / 14 AKE コンテナー
  • 平野ロジスティクスホームページ